アンティカ族
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かつてのガルカの都アルテパを中心に帝国を築きあげ、クゾッツ諸島全域を支配化においている獣人。彼らは高度に管理化された軍事社会を形成しており、生まれた時から軍務が、整理番号である名前と共に決められている。個々人は、その軍務に応じて必要な専門知識しか与えられず、肉体も軍務に適したように生まれついていない。そのため、人口調整のために用意されている剣闘士になる選択以外、軍務が代わることもあまりない。
私有財産という概念もなく、将兵の装備はすべて支給品で、食事も役割に応じた配給制である。しかし、情動が他の獣人に比べて極めて低い彼らは、それを不満に思うことはないようだ。それは戦闘時においても同様で、士気によって能力が高まることもない代わりに、いかなる状況であれ低下もしないとされる。アンティカのもうひとつの強みは動員兵力にある。通常の兵力こそ他の獣人と同様であるが、彼らは戦時になると、低消費で仮眠している蛹状態の予備役将兵を現役に復帰させることができ、百倍近くまで兵力を倍増可能なのだ。大戦時には、海上輸送手段を確保する時間が足りなかったため、主戦場であったクォン大陸に少数の兵力しか上陸させられず、彼ら帝国軍の戦力が大勢に影響を与えることはなかったが、もし彼らの全軍が参戦していれば、連合軍の敗戦は間違いなかったであろうとは、人間諸国の将軍の共通見解である。
首の摩擦音によるコミュニケーション手段こそあるものの、雄叫びを上げることもないため、味方の屍がいくら築かれようと、無言で前進する彼らの軍隊は、人間にとって恐怖以外の何ものでもないのだ。
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